COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2017/03/16

【vol.440】退職者ゼロ!の秘訣。

「実はですね・・・」

と、クライアントT社のタムラ社長が話してくれました。

「このまま3月末までいくと、1年間の退職者がゼロなんです。」

T社の社員数は120名。山口県で産廃処理業や足場工事、不動産事業などを手がけています。
決して人気業種ではありませんし、廃棄物の分別や運搬、足場の組立などいわゆる3K的な仕事もあります。
しかも新卒社員は、3年間の寮生活が義務付けられています。
そんな環境下での離職率ゼロは驚異的です。なぜなのか?

T社では「心を高め、経営を伸ばす」に始まる経営理念の浸透を“徹底的”に行なっています。
「何のために働くのか?」「なぜ、売上や利益を上げる必要があるのか?」
「仕事を通じて、人間性を高めるとはどういうことか?」
これらを勉強会や朝礼、食事会などあらゆる機会を通じて共有し合っているのです。

タムラ社長は、理念勉強会へ全出席することはもちろん、月の半分は社員と食事をしながら仕事観・人生観について語り合っているそうです。
このことが一体どういう意味を持つのでしょうか?

私はT社で研修などをさせて頂いているのですが、社員の方にお会いすると、こんなエピソードを聞くことがあります。
「最近パパは変わったね。休日にゴロゴロしないで、本を読んだり仕事の話をしたりするようになった、と娘から褒められました」
「息子が進学のことで悩んでいたので相談にのってあげると、『そんなにちゃんと答えてくれるなんて!』と家族に驚かれつつ感謝されちゃいました」

日々、仕事のやりがいや成長を実感できる。
また自分たちの成長が組織の価値を高めることにも繋がっている。
それが実感できるような体験が、おそらく、社員の方々の身の回りにたくさん起きているのでしょう。

個人と組織の成長の方向性が連動している。つまり“エンゲージメントの高い状態”であることが、T社の定着率が高い要因なのです。

人材確保が厳しさを増している昨今、T社の取り組みは大きなヒントを提供してくれていると思います。

《まとめ》
エンゲージメントを高めて、経営を伸ばす。