対象は、各部署でバリバリ活躍している30〜50代の面々。
個人のスキルも意欲も、相当高い方ばかりです。
そんな受講者たちに何を研修するかというと・・・
こちらから教えることは、ほとんどありません(笑)
むしろ「教える/教わる」という関係を捨てる。
講師をたてない。
(私は講師ではなく進行役という役割です)
それが今回のリーダーシップ研修の最大のポイントです。
この時代「リーダーシップ」や「マネジメント」は、個人的に学ぼうと思えば、情報も機会も山ほどあります。
仕事ができる人は情報収集力もタイムマネジメント力もあるので、
自分のペースで、自分に合った学習を自らやっている人が多い。
だから、学校のようにわざわざ集まって、講師による画一的な“学ぶ場”を設けることは、あまり意味がない。
逆に、社内で不足しているのは、“学び合う”場づくりです。
働き方改革が叫ばれ、残業をせず効率的に仕事をすることが求められている昨今。
そこで削られるのは、“社員相互のコミュニケーション”です。
A社も非常に生産性高く仕事をされており、業績も絶好調。
一方で、業務時間は仕事に追われ、社員同士で交流する機会はほとんどない状態が続いています。
会社を担うリーダーに求められるのは、全社的視点と部署を超えた連携。
それを可能にするのは、なんといっても他部署リーダーとの良質な関係の構築です。
研修では事前に、各受講者の社会人以降のキャリアを細かく書き出してもらい、
時間をかけて1人ずつ語ってもらう時間をとりました。
ある受講者は、こんな感想を述べていました。
「10年以上一緒に仕事をしていても、知らなかったことが多い。
改めて前職での経験や、会社への思いを聞き、新しい発見がとても多かったです。」
相手のことを知れば、距離感も縮まります。
そうなれば、自然と「学び合い、気づき合う関係」ができてくるのです。
これからの社員教育に必要なのは、コンテンツの提供ではなく「関係性を促進する場づくり」だと私は考えています。
《まとめ》
第一線で活躍している社員たちに、業務から離れて相互関係づくりに集中できる時間を取らせる。
それができる会社が、チーム力を高められる。