COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/10/16

【vol.323】ベストセラー本「The Reason I Jump」

2013年に発売されてから、世界20ヶ国以上で
翻訳されているこの本。ご存じない人の方が多い
のではないでしょうか。

日本題は「自閉症の僕が跳びはねる理由」といいます。
著者の東田直樹さんが、当時13歳の2007年に日本
で出版されたエッセイです。

東田さん自身が、会話ができない重度の自閉症で
ありながら、自分の心の内を自ら語った極めて
画期的な作品。

この本を英訳したのは、アイルランド在住の作家
デイヴィッド・ミッチェルさん。彼にも自閉症の
息子さんがいるのですが、東田さんの本を読んで
まるで息子が自分に語りかけているように感じた
そうです。

息子はなぜ床に頭を打ちつけるのか?
なぜ奇声を発するのか?

息子さんとのコミュニケーションをあきらめて
いたミッチェル氏は、この本によって、とても
とても救われたといいます。

私は数ヶ月前に、たまたま放映されていた
ドキュメンタリー番組で東田さんの事を知り
ました。

番組では、ミッチェルさんと東田さんが、
感動の対面を果たしていました。

ミッチェルさんとのやりとりでは、東田さんは、
紙に書いたキーボードを指差しながら、言葉を
発していきます。

ミッチェルさんが東田さんに問いかけます。
「私は、息子のために、何がしてあげられる
でしょうか?」

東田さん
「子どもが一番望んでいることは、親の笑顔です
それだけで十分なのです」


本の内容は驚きに満ちています。
何より、文章が優しく、美しいのです。

巻末に短編小説もついているのですが、
秀逸な出来!
13歳が書いたとはとても思えません。

この本を読んで私自身、自閉症の人に対する
印象が一変しました。

世界中で多くの家族を救っている東田さん。
私に選考委員の資格があるならば、ノーベル
平和賞をさしあげたい!


■「自閉症の僕が跳びはねる理由」
東田直樹 著(エスコアール)

■NHKドキュメンタリー
「君が僕の息子について教えてくれたこと」
11月24日(月・祝)午前10時~11時
(再々再放送)
http://www4.nhk.or.jp/P3229/

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