COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2015/06/11

【vol.356】おすすめ本「バカたれ。」

 この本の著者は、史上最年少でフランスでミシュラン一つ星を獲得した、日本人シェフ松嶋啓介さん。

「シェフ」が「日本を代表するクリエイター」と「対談」するというコンセプトのこの本。

しかも、料理についての対談ではないという。
一体誰に向けて書かれた本なのか?!
書店で見かけたときは、正直意味がわからず、スルーしていたのですが・・・

松嶋さんのトークイベントを見に行った時に、話があまりにも面白かったので、気持ちが一転!
トークショー後のサイン会に、速攻で並んで買い求めました(笑)

この本の対談相手は、ビームスの設楽洋、吉兆の徳岡邦夫、佐藤可士和、堀江貴文、片山正道 など各界を代表するクリエイター15名。

この本ではゲストと自分自身を
『無謀で、がむしゃらで、興味あることにはなりふりかまわず突っ走っていく、世界水準の馬鹿者 』
と定義しています(笑)

読んでみると、各々の “振り切りっぷり” が、まさに “世界水準” でビックリさせられます!
知的にカッコよく活躍しているように見える、表向きのイメージの裏にある、失敗談や葛藤などが、『そこまで言っていいの?!』というくらい腹を割って語られているのです。

対談相手がもともと松嶋さんのレストランのお客さんだっという出会い方もあると思うのですが・・・

プライベートで食事しているときは、こんな感じで語り合ってるんだろうなあ!
という光景が目に浮かぶような、熱さ、ぶっちゃけ感。
(個人的には、32歳で芸者を辞めて単身で渡仏、世界をまたにかけるフラワーデザイナーの女性の話が超面白かった!!)


ですが、この本の真骨頂は、エピソードそのものの面白さだけはありません。
料理人としてではなく、クリエイターそして企業家というスタンスで対峙する松嶋さんと
各界の「異能な」実力者との刺激的すぎる化学反応!

松嶋さんの言葉の端々から伝わってくる語彙力やプロデュース力。
どの分野の人からも話を引き出し、展開していく教養、 思考の深さは、興奮するほどスゴい!

松嶋さんが書いてくれたサインには

「でも、無知じゃねえ」

とありました。

題名の「バカたれ。」とは「be a foolish=バカであれ」
という意味なのですが、『ガムシャラであることと無知であることは違うんだよ』というメッセージに、ぐっときました。

「熱狂」と「クレイジー」が、面白おかしく詰まっている一冊。
触れると、かきたてられますよ!

※「バカたれ。」松嶋啓介著(主婦と生活社)

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