COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2016/07/07

【vol.408】「おせち日本一」の、その先は?!

おせちで日本一の会社があります。
一年間に13万セットものおせちを製造・販売。
楽天グルメ大賞では10年連続グランプリを受賞しているという、凄い企業です。

通販なので、作ったおせちを冷凍して年末に一気に配送するのですが、もともと高級仕出しからスタートしているだけに、食へのこだわりは相当強い。
私も今年の正月に食べましたが、冷凍であることを忘れてしまうような驚きの美味しさでした。

その会社H社の、企業理念を整理をさせていただきました。

現在「博多美味いもの便」というコーポレートスローガンを掲げているのですが、
今後の方向性も踏まえて、刷新していきたいと。

さて質問です。
みなさんなら、どんなスローガンをつけますか?

ちなみに、経営陣へのヒアリングを通じて得られた今後の会社の方向性は、下記のような話でした。

・「食」が中心であるということは間違いない。
・食品の会社として成長させていきたい。
・おせちのマーケティングリーダーで終わりたくない。
・枠をはめずに、飲食や物販にも挑戦したい。
・食の可能性を追求していきたいし、食で、社会を良くしていきたい。etc.

経営陣とディスカッションを重ねてできたスローガンは・・・

【晴れの日のおいしさ】

私たちがつくり、お届けするのは、一生に一度、一年に一度の晴れの日の食事。
お客様にとって大切で特別なそのときが、嬉しい顔や喜びの声で一杯になるように。
一粒、一箸、一箱、一文字、私たちは心を込めて仕事をします。

経営陣の想いは、「食」以外の事業展開はしないが、「おせち」という枠にとらわれたくもない。というもの。
一方、「食」という分野の中でも、事業展開は無数に考えられます。
そこでH社がこれまで、正月という「ハレの日」に特化して培ってきた強みを生かして、
「晴れ=非日常の日に、大切な人と食べる食事なら、H社」という方向性ではどうか、というご提案をしたのです。

運動会、敬老の日、誕生日、お食い初め、七五三 etc.
“晴れの日に、家族・親族に美味しさを届ける企業になる”というビジョンを内包したスローガンになりました。

《まとめ》
企業の未来と価値を示すスローガンが、社員の道標となり、成長を加速させるギアとなる。
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【あとがき】——————————–

H社は十数年前に、おせちをwebで販売するという当時では仰天の手法を他に先駆けてはじめました。

おせちは生ものですから、こだわりの和食店やお惣菜店では、年末になると夜な夜な総出でおせちをつくります。
H社は冷凍なので、製造量の偏りを軽減でき、安全面でも利点が多い。
そうしたビジネスモデルの素晴らしさもさることながら、それ以上に経営陣の想いの強さが素晴らしい。

「うそ、ごまかしの商売は絶対にしない」
「友人知人にも自信を持って定価で売れる品質の追求」
「100年先を見据えた企業づくり」

本気の想いをどのようにコトバに込めていくのか。
高い緊張感のやりとりをさせていただくことは、僕にとっても大変やりがいのあることでした。

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