著者自身が現在もコンビニでバイトをしていて、芥川賞受賞インタビューの際
「今後も、コンビニのバイトは続けられるのですか?」
と聞かれ
「店長と相談します(笑)」
と回答したことが話題になりました。
昨年芥川賞の「火花」は、硬い内容でしたが、今年の「コンビニ人間」は、著者のユーモアが溢れており、面白い!
おかしくて笑えちゃう、芥川賞としては異色の作品です。
主人公は高校を卒業して18年間コンビニで週5日アルバイトを続けている女性。
結婚はおろか、恋愛経験もなく、就職もせず、バイトをしながらの一人暮らし。
もし、こうした女性が実際に近くにいたら、どう思いますか?
結婚はしないの?とか、ちゃんと就職しないの?とか、いろいろ詮索したくなりませんか?
私はなります(笑)
この本では、私のような「普通の」人(だと自覚している)について、鋭い観察眼が描かれていて、読んでいてハッとさせられました。
「コンビニ」という小さな身近な舞台。そして主人公は、いわゆる“イタい”系の女性。
なのに、想像を超える面白さがあります!
そして、考えさせられるのです。
個人的には、自分と違う人や理解しづらい相手と出会った時の接し方の参考になりました。
世間的には「火花」ほど話題には上がっていませんが、“現代を切り取っている”という意味では、火花よりも遥かに上だと私は感じました。
※「コンビニ人間」 村田沙耶香著