COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2018/09/20

【vol.510】経費をオープンにしたら炎上しちゃいました(後編)

「給与をいくらオープンにしたって、経費がグレーだったら意味ないじゃんって思ってました」

と、経費の裁量権や、使途が不明な状態が不信感につながっているということが判明したので(詳細は前編)どうすれば納得感を持てるように改善できるのか?を考えました。

まず、現状を明らかにしようと、過去の経費(特に会議費、交際費)の内訳をすべて開示しました。

その上で、ひとつずつ「必要な経費なのか?」「会社の利益に繋がっているのか?」といった基準で線引きをしました。

たとえば、
◎取引先との会食
▲知り合いの経営者との食事
といった具合で。

他にも、
×勉強会の受講費用
×経営者の茶道の会
など、現時点では仕事と直結しなさそうな勉強会や、「ぶっちゃけこれは趣味ですよね?」的な会費は「アウト〜!」となりました。

「経営者は24時間いつも経営のことばっかり考えて行動してるんだって!」
「どこでどうビジネスにつながるかわからないからこそ、種まきや付き合いが必要なんだ!!」
「経営者こそ勉強しなきゃ!トップの伸びしろが、企業の成長余力なんだよ〜!!!」

などと、なんども叫びそうになりましたが……
心の中に封印しました。(メンバーいわく、顔には出ていたそうですが……汗)

いやあ、ぶっちゃけいうとですね。
「24時間全てが経営」というセリフ、私は“免罪符”として使っていました。

そして“経費=経営者の私が使っていいお金”と思ってました。

しかし、社員からすれば“経費=会社のお金=私たちのお金”です。(当たり前です。)

社内の“不信のタネ”をなくすという視点にたてば、経費の使い方や裁量権は、丁寧に扱わなければいけないテーマでした。

最終的に決まったのは、下記のとおりです。
・私が使う経費の毎月の上限を決める(適正に使っていたと判断された金額を元に算出)
・今後、経費として認めない費用の一部は、私の役員報酬に上乗せする
・メンバーも経費が使えるルールを決める

そして新たに「経費相談チャット」をつくりました。
経費扱いしていいかどうか悩んだ時に、相談ができる仕組みです。
(ちなみに、これは多数決や合議制ではなく、意見をもらった上で相談者が決めることができます。)

というわけで……
私の予想を超えて紛糾した経費ミーティングは、このように一区切りがつきました。

このやり方が適切なのかどうか?
取り決めの内容が正解かどうか?

それは、わかりません……。

少なくとも現時点では納得度が高い、ということであり、今後運用しながら、随時改善していきます。

《まとめ》
“お金のグレーゾーン”は、社員からは切り出せない。
トップが気づかぬうちに社員の信用を失い、退職理由に繋がっているかもしれない。