COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2018/10/11

【vol.513】“地方分権”のような組織のカタチ

経営者にとって「権限委譲」は永遠のテーマ、ですよね。
その「権限委譲」を上手に行っている企業の話を聞く機会がありました。

その企業とは、日本初のAIヘッドハンティングサービスを手がける「株式会社scouty(スカウティ)」です。
「ホラクラシー」という組織手法を活用しているのですが、二つの特徴がユニークだと感じました。

ひとつめは、
【「憲法」によって、権限の分散を可能にしている】
ことです。

たとえば…
・横浜市で決めることについて、すべて安倍首相への報告、承認が必要。
・福岡市長が決めたことを、安倍首相がひっくり返した。etc.

こういったことは、地方自治では起きません。
なぜなら、法律で役割や権限が決まっているからです。

しかし、企業ではよく聞きますよね。

例に挙げると…
・マーケティングチームで決めることについて、すべて社長への報告、承認が必要。
・リーダーが決めたことを、社長がひっくり返した。etc.

この状態が続くと、社員はテンションが下がるし、社長もストレスが溜まります。
これを解決するために、scoutyでは社内の憲法を定めて、役割と権限を決め、社長であっても従わなくてはいけない仕組みにしている。

それによって、各チームは侵されない権限を得て、安心して役割と責任を全うすることができる、というわけです。

もう一つの特徴、それは
【問題や不具合がすぐに改善される仕組みがある】
です。

取り決めをしてスタートしても、運用上で不具合がでてきます。

例)顧客向けのイベントの責任者が不明確で、案内が遅れた

そうした問題が生じた時に、ことの大小関係なく、誰でも書き込めるフォームが用意されています。
そして、改善のためのミーティングが、定期的に行われるのです。
(ミーティングの進め方も憲法で明文化されています)

この改善のプロセスがあることで、実行することのプレッシャーが軽くなり「とりあえずやってみよう」とPDCAのスピードが上がるのです。

CEOの島田寛基さんは、下記のような問題は解決しやすいと話していました。
「権限委譲してみたが、結局任せきれず介入してしまった」
「誰がやるか決まっておらず担当者がふわついている仕事が多い」
「上の合意がないと何もできないのでスピードが落ちる」etc.

島田さんはコラムも書かれていますし、つくった憲法や組織図も公開されています。
トップダウン型の組織に限界を感じている方は、要チェックです!

《まとめ》
権限委譲のポイントは、経営トップの権力より強い「法律」をつくること

 

 

※純ホラクラシー組織の運用法のすべて(島田寛基さんのコラム)
https://hr-tech-lab.scouty.co.jp/information/holacracy_scouty/

※ホラクラシー憲法(scouty ver.)
https://github.com/scouty-inc/holacracy_constitution/blob/master/holcracy_constitution_scouty.md

※株式会社scouty
https://scouty.co.jp/