新入社員にやる気が感じられなかったり、何を考えているか分からない、と困っていませんか?
元々やる気がない人をその気にさせることは、不可能に近いです。しかし、内に秘めたやる気を引き出し得る方法はあります。
まず前提として・・・
“人の気持ちは、自分が発する言葉に影響を受ける” と私は考えています。
例えば、言いたい事を口に出して話せる時は、気分が良かったり意欲的になりやすい。一方、内心感じていることを言えない時には、気持ちが鬱屈しやすいものです。
そして昨今の若い人には、後者が多く見られます。
なぜか?というと、時代背景の影響が大きいです。
情報過多。そして(この先どうなるのかという)将来への不透明感。コンプライアンスが重視されるなかでの制約の多さ。経済が縮小している中、人々の気持ちもどこか縮こまり、わずかな失言、失態が命取りになるような、ちいちゃいやりとりが横行。そのため周りの目を気にせざるを得ない etc.
そんな環境下で育って来た若者たちは、コミュニケーション力、とりわけ “空気を読む力” が磨かれています。溢れる情報に溺れないように適度に目をそらす。そして自分が属しているコミュニティや、目の前にいる人が求めているだろう “答え” に自分を合わせる習慣がついているのです。
そんな彼らが企業に入社するとどうなるか?
「自分がこうしたい!」という気持ちよりも、目の前の上司に合わせた言動をしがちです。先輩や上司の言葉の中に “合格ライン” を探すので、こちらからは自発的には見えないのです。
そんな新人のやる気を引き出すポイントは何か?
それは、彼らの “本音を聞き出す” ことです。
本当の気持ち(本音)を口に出すことを通じて、自発的・本気になれる状態がつくれるのです。
本音を聞き出す方法は様々ありますが、ここでは1つだけ、『 “自分史” を活用する方法』をご紹介します。
“自分史” とは、これまでの自分の半生を振り返って、転機となったエピソードや、達成感があった出来事、逆に凹んだ出来事について具体的にまとめるものです。その際に、気持ちの高低についても記載しておきます。この “自分史” は、上司も書きます。そして共有していくのですが、共有の “順番” と “方法” がとっても大事です。
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1. まず、上司から話をする。
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その際、失敗談や、苦労した経験を強調して語ります。新人の大半は “失敗はいけないこと、恥ずかしいこと” と思っています。上司から失敗談を話すことで、 “この上司は自分に心を開いてくれている” と相手に思ってもらいやすい。それが心を開いてくれるきっかけになります。
例えば僕の場合、 “勤めていた会社が経営破綻した” という話や、“25~6歳の頃ウツになった” といった話は評判がいいです(苦笑)。
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2. 部下が話す。上司はきちんと話を聞いて受け入れてあげる。
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この時に大事なのは、否定せずにきちんと聞いてあげること。新人はどこまで話していいのか、という基準が分からないケースが多い。『何でも言っていいんだよ。失敗こそいい経験じゃないか。もっとあるなら聞かせてくれよ』というスタンスで聞くと、『この人は受け入れてくれるんだ』と、よりディープなエピソードが出て来たりします。
成功体験、失敗体験をちゃんと受け止めることを通じて、新人は「自分のことを認めてくれるし、この人には本当のことを話してもいいんだ」と思ってくれるようになります。
そうしたコミュニケーションができると、新人が仕事について自発的な意見ができるようになります。その意見を認めてリードしてあげると、主体的に仕事に取組めるようになるのです。
そうしてやる気が湧いてくると同時に、彼らの個性が輝き出していくスパイラルができていく訳です。
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ポイントは、上司が本気で部下に興味を持つ事(でないと鋭い彼らに見破られます)そして、自らぶっちゃける勇気です。
新人をイキイキとさせるのは、上司の器が問われるのです!