COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2012/04/12

【vol.197】大学生が育つ、型破りな授業

先日、ブランディングに関する相談を受けました。アパレル店や飲食店を経営されている企業A社で、『既存店舗の新規顧客の獲得の強化をしたい』という主旨です。

『HPやSNSなどを使って情報発信しながらファンを増やし、店舗に誘導する仕組みを構築していきたい。しかし、現在会社のHPやSNSなどはバラバラで統一感がない。また、CIなども明確ではない。その為、この機会に全てを見直し統一をはかりたい。ブランディングの流れを中心にお聞きしたい。』

相談に来てくれたのはシガ君という男性です。彼は昨年4月に新卒でA社に入社し、ようやく2年目になったばかり。そんな若い彼が会社のブランディングを任されているというのはスゴい。そして与えられたテーマについて、頼まれた訳でも指示された訳でもなく、自ら他社の社会人に相談をしに行く。なかなか出来ないことだなあ!と感心しました。

ちなみに彼は昨年にも、新規事業の案件で、相談に来てくれました。私が同じ年の頃は、他社の誰かに相談するという発想はなく、(もちろんそんな人脈もなく)目の前の営業に手一杯だった記憶しかないです。

当時の自分と比較すると雲泥の差!

 

シガ君と知り合ったのは、福岡大学の“ベンチャー起業論”という授業がきっかけです。

http://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~lab00004/

阿比留正弘教授が担当しているベンチャー起業論という授業は、2つの特徴があります。

1つは、毎回外部講師を招いて講義をすること。

もう1つは、講義外の時間でいづれかの企業にインターンをするのが義務づけられていることです。

私は数年前、前職のワイキューブ時代から、学生の受入れをさせてもらっているのですが、その中にシガ君がいました。

学生は授業を通じて多様な社会人と接することができ、またインターンを通じて社会人とのコミュニケーションの仕方を体得します。学生からすると、「意外と社会人は学生に協力してくれるんだな」という実感を持つと思います。「相談してもいいんだ」ということが分かるだけでも大きな気づきではないでしょうか。

シガ君は熊本県出身。高校時代からこの授業の存在を知っていて、これを受けたいがために福岡大学を志望したそうです。そんな彼の元々の高い意欲と行動力が、ベンチャー起業論という環境を通じて更に育まれたのだと思います。

 

私は、社会の変化やニーズと乖離が進む大学の存在意義に疑問を感じています。

しかし、ベンチャー起業論のように、大学だからこそ可能な育成機能を果たしているものもある。そこに希望を感じます。そして、シガ君のように意欲高く社会に飛び出し、奮闘している若者もいる!

前号で紹介した「可愛がられ力」をまさに発揮しているシガ君。沢山の成長機会を得て、これから飛躍していくでしょう。おじさんも陰ながら応援していきます。がんばれ!!

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