COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2012/07/19

【vol.210】博多祇園山笠に、ぐっと!

福岡では、7月に博多祇園山笠という祭りが行なわれます。

博多地区の地元の祭りなのですが、770年余りの歴史があり、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。僕はご縁で出させてもらっているんですが、実際にやってみてわかる面白さがあります!

今回は僕が特に気に入っているところをご紹介したいと思います。

★☆★ “重低音のハーモニー”「博多手一本」★☆★

山笠では、折に触れて博多手一本という挨拶をします。(飲み会の後などにする一本締めに似てます)山笠の際には、手一本は、盛り上げるためではなく、厳かな挨拶という感じです。より低い声で、より男らしく。

数百人の男達が、呼吸を合わせて行なう手一本は凄い迫力!重低音の声と、手拍子が地鳴りのように、空気と心とを揺さぶるのです。

 

★☆★ “子どもは黙って下働き”「直会(なおらい)」★☆★

日々の行事が終ると、町内ごとに集まって飲み食いをします。それが「直会」です。

山笠は基本的に年功序列の世界です。子ども達は年長者のために働かなくてはなりません。飲み物の追加や灰皿の取替え、料理運びなどで忙しく、自分の席に座る暇がないほどです。

そうして、社会での作法を体で学んで行く文化。濃い人間関係の中で、しがらみがあったり面倒くさいことも多いでしょう。が、そうした経験が乏しい僕には、眩しく見えるのです。

 

★☆★亡くなった方を “祝う”「追善山(ついぜんやま)」★☆★

この一年間で亡くなられた方をしのび、たたえる行事が、追善山です。

全員で山(神輿)と共にご自宅を訪問。ご遺族が遺影と共に門前で出迎えます。山を、倒れる位に前後に大きく揺さぶりながら、「祝いめでたーのー、若松さまーよ」と博多祝い唄を全員で歌います。追善の対象となるのは、一生を町内で住まい、山笠に捧げた功労者の方です。

僕は正直、地元の神奈川にそこまでの愛着はありません。生まれた町で生き抜く人生を素晴らしいと思ったのは、山笠に出会ってからです。 土地と、そこに住む人達と深く繋がる、その生き様は僕には決して出来ないものであり、羨ましいとさえ思うのです。

毎年心震え、泣かされてしまうこの追善山は、山笠で一番好きな行事かもしれません。

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山笠は、福岡の観光資源としてとても有用だと思いますが、無形なだけになかなか伝わりづらいようです。

福岡のブランディング活動としてもっともっと表現を磨いて行けば、国内外から人を集めるきっかけとなりうる。

そうなれば、地元の人もやりがいが増すし、結果的に伝統を守っていく後押しになるでしょう。

地域の資源をどう活かしていくかは、福岡に限らず全国の町にとってのテーマかと思います。

※山笠についての基本情報はコチラ↓

http://bandoy-cube.seesaa.net/archives/20060713-1.html

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