「能とスターウォーズって、共通点があるんですよ。」
と話してくれたのは、
観世流能楽師の武田文志さんです。
ぜ、全然頭で結びつきませんけど・・・汗
「ジョージルーカス監督が以前こう言っていたんです。
『売れる映画を創りたいと思って
スターウォーズを撮った訳じゃない。
人間の普遍的なテーマを描きたいと思っていたんだ』と。
それを聞いて、能も同じだなあと。
能も、人間の普遍的な価値を表現している芸能なので。」
なるほど!
伝えたい本質的な価値を、マジメに語ったところで面白みはない。
それをエンターテイメントでくるんで、
楽しんでもらいながら伝わっていく
コンテンツに仕立てている所が、
両者に共通する愛されポイントなのだと思いました。
ところで・・・
「能」は約700年の歴史をもち、世界最古の芸能だそうです。
たとえ価値があったとしても、なぜ能は
これほど永く続いているのでしょうか?
武田さん曰く、謡(うたい)の文言はほとんど変わっていない一方で、
演出の仕方や踊り方は、時代や相手に合わせてどんどん変化しているとのこと。
それがポイントではないかというお話でした。
変化というのは例えば・・・
武田さんの先代、お父様の時代には、上手に
踊ればお客様がついてきてくれたそうです。
しかし最近では、「弁慶と義経」の演目をしようと思っても、
その名前や時代背景を知らないお客様がいる。
なので開始前に解説をしたりしているとのこと。
『え、変化って、たったそれ位のこと…?! 』
と、私たち能の素人は思ってしまいますよね。
しかし「役者は舞台で語るもの」という価値観
で生きて来た武田さんのお父様からすると、
「役者自ら解説する」なんて、ありえない話。
ですからこの一点についても、父子で相当もめたそうです。
「時代に合わせて変化する」必要性は、
誰でも思っていることでしょう。
しかし実際に何かを変えるというのは
上記のように端から見たら些細なことであっても、
内部で実行することはなかなか難しい。
しかも一度や二度でなく、常に変化させ続けて
いくことができる人が、どれほどいるでしょうか?
能が700年間続いてきたということはつまり、
700年「変化し続けてきた歴史」ということ。
そう考えると、ビジネス永続の秘訣は
能のなかにもあるぞ!と思いました。
《まとめ》
何を変え、何を変えないのか?
その見極めと「勇気」こそが、永続していくカギとなる。