COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2012/08/16

【vol.214】経営者感覚とは、何か?

「幹部に、経営者感覚を身につけさせたい。」

これまで何度となく、経営者の方々から聞いてきた言葉です。経営者でない人には、なかなかイメージが湧きづらい “経営者感覚” とは、一体何なのでしょうか?

僕自身、会社員だった頃には曖昧な理解しかできていませんでした。(経営者の方と仕事をする機会が多かったにも関わらず。)

しかし先日、あるきっかけで、『この “感覚” は、分解すると下記の4つの組合わせで成り立っているんだ』と思い至りました。それは・・・

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1. 全ての経営判断を自ら行なう【覚悟】と【責任感】

2. ヒトモノカネを使って、どう利益を増やすのか?という【計数感覚】

3. 部分ではなく、全体を見通す【俯瞰視点】

4.「明日は何が起きるか分からない」という【危機感】

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言葉でまとめると、「ふむふむ」という感じかもしれません。が、“視点” や “感覚” を、実際に身につけることがどれほど難しいことか!

この中で僕が強く印象に残っているのは、「危機感」です。

昨年、勤めていた会社が経営破綻した際に、お取引先企業等にご報告にあがったときのことです。その際に経営者の方々が、必ず口にした言葉がありました。

「明日は我が身だからねえ。」

その当時は、「経営者ってこんなに危機感を持っているんだ!」と驚きこそすれ、その真意は理解出来ませんでした。

しかし、その後独立して一年経った今・・・

たとえ今日、業績が良くても、明日は何が起こるか分からないし、全く安心する気持ちにはなれないんだ、ということを痛感しています!

自分の体験からしても、“経営者感覚” とは、その立場になってみたり、大きな仕事を任せてもらったりでもしないと身に付かないものだと思っていました。

 

が、先日、体感が可能だと思える研修を受けてきました。「戦略MG(マネジメントゲーム)」という研修です。

「遊びながら企業経営を学べる経営シミュレーションプログラム」というコンセプトのこのゲーム。やってみると、とってもリアルで、ゲームということを忘れて手に汗握る緊張感!

1人が1社、会社を設立し、1~5期まで経営を行ない、結果を競っていくのですが、儲かっても資金ショートを起こしたり、競合との営業合戦になったり、いきなりトラブルが勃発したりetc.「経営を学ぶ」というより、“経営者の立場を追体験できる” という意味で、とっても面白かったです。

このプログラムは昭和51年に開発されています。正直言って、受講する前は一世代前の古くさいイメージ(失礼!)でした…。が、僕が独立して実感できた 上記4点の “経営者感覚” を、実際に経営せずとも “体感” することができる、という点でこのプログラムは素晴らしいなあと思いました。

経営幹部を鍛えて行くには、大きな権限を任せていくことが一番でしょうが、こうした “体感型プログラム” の活用は相乗効果をもたらしてくれると思います!

 

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