COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2012/09/20

【vol.219】好きだから、許せちゃう

明日は、iPhone5の発売日ですね!僕も先日予約したのですが、今の所お店からの連絡がないので、明日の入手は残念ながらなさそうです…涙

ところで、iPhoneを取り扱っている携帯販売店では、明日からの発売に合わせてディスプレイを変える訳ですが、それは今日の閉店後から、明朝までの間に限られているそうです。

しかも、明日の開店までは、新しいディスプレイを絶対に見られてはいけない!というルールになっており、店によっては窓に目張りをしたり、ブルーシートをかけたりしているそうです。

さらに、変更したディスプレイは、写真に撮ってApple社に送り、OKが出ないと展示が許されないとのこと。

今夜一晩で、全ての販売店の展示の様子をチェックする!Apple社が、どれだけのスタッフを用意しているのかわかりませんが、当事者たちにとっては、想像を絶する夜になるのでしょうね…!

 

なぜ、それほどまで労力をかけて徹底する必要があるのか?と不思議に思いますが、これはAppleが、何を商品として考えているのか、ということだと思います。

きっとAppleにとっての商品は、“携帯電話/スマホ” ではないのです。商品は “iPhone” であり、それは単なるスマホ以上の “何か” なのです。

iPhoneに限らずApple社の製品は、梱包箱や、付属品に至るまで、一貫したこだわり、世界観が感じられます。

Appleは、そうした世界観やコンセプト、美学といった“無形の価値”こそが商品だと考えているので、店舗での展示の仕方にもこだわるのでしょう。

目には見えない価値で戦いを挑むということは、好き嫌いの勝負に持ち込むということです。

理性ではなく、感情に訴えかける。そして、消費者のハートをつかむことができたとき、他社との比較の勝負から一歩抜きん出ることができるのです。

ファンの存在は、強力です。価格が他より高くても、順番待ちをさせられても、サポート体制が不十分だとしても、(文句を言いながらも)ついてきてくれます。

だって、好きだから。

惚れた弱みというヤツですね。男性からすると、惚れた女性のワガママが、可愛く思えちゃうみたいな感じでしょうか?!(笑)

消費者に対して主導権を持つ事ができれば、それは利益にはねかえってきます。

携帯電話業界の熾烈な競争でAppleが高収益を実現できているのは、いかに売るか?ではなく、いかに好きになってもらうか?という所に注力をしている結果なのです。

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