COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2012/09/06

【vol.217】バットマンに学ぶ “編集力”

先週「ダークナイト・ライジング」という映画を観ました。

“バットマン” シリーズ、3部作のファイナルです。前作の「ダークナイト」に強烈にシビレて、期待に胸を膨らませて行ったところ・・・

期待を超えるサイコーの面白さでした!

ちなみに、この「バットマン」、以前にも映画化されています。

1. バットマン(1989)

2. バットマン リターンズ(1992)

3. バットマン フォーエヴァー(1995)

4. バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲(1997)です。

興行成績は、4作品合計で12,5億ドル。かなり人気だったのですね。

 

今回の “新3部作” は、クリストファー・ノーランという別の監督の作品なのですが、ビジネス目線で考えると、観客がまた来てくれるのかどうか、不安はなかったのでしょうか?

しかも、新3部作はどれも上映時間が長いのです。

1. バットマンビギンズ(141分)

2. ダークナイト(152分)

3. ダークナイト・ライジング(165分)

対して、旧シリーズは、長くても126分です。

ということは、2時間映画なら4回上映できるところを、最新作(ダークナイト・ライジング)は3回しか上映できない計算になります。儲ける、という視点で考えると、ハンデを背負うことになりますよね。

 

さてさて、結果はどうだったかというと・・・

新3部作の興行成績は、合計約24億ドル。

少ない作品数と、回転効率の悪さを乗り越えて、約2倍の売上を稼いでいます!

 

一体なぜ、この好業績が実現したのでしょうか?

僕は、クリストファー・ノーラン監督の「編集力」がポイントではないかと思いました。

旧シリーズは、アメコミそのままの ”ヒーローもの” でした。これはこれで楽しい。

一方、新3部作は、バットマンやおなじみの悪役は出てくるものの、内容は複雑な人間心理が描かれている “ヒューマンドラマ” であり、バットマンはヒーローですらありません。

驚きのストーリ展開と、圧倒的な迫力、重厚感。大人こそが楽しめる、超一級のエンターテイメントに仕上がっています。

監督は “バットマン” というコンテンツを新しいストーリーに “編集” し、今までにない価値を創り出した。それにより、新たな顧客層の開拓に成功したのです。

 

このことは、私たちのビジネスにも、そのまま当てはまると思います。

陳腐化したように見える、既存商品。

やりつくした感のあるサービス。

伝説的な実績をあげた先輩の存在。

これらを見直し、“らしさ” を活かしながら、新たな価値を持った商材に ”編集” しなおす。

それが出来た時、新しい顧客と出逢うチャンスが生まれるのです。

新3部作は、“価値の編集” のお手本だなと思いました!

 

※「全世界歴代映画興行収入」http://forest-cat.com/boxoffice/boxoffice1.php

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