COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2012/10/04

【vol.221】褒め上手は、ガマン上手。

先日、船井総研の小山会長の講演を聞きました。

経営者の心得について、教えて頂いたのですが、「長所伸展法」の話が、特に印象に残りました。

「長所伸展法」とは、人材育成の方法論です。長所を見つけ伸ばすことで、短所は放っておいても、長所に引っ張られ、自然に伸びていく、という考え方です。

一流の人材になるには、誰にも負けない武器を身につけていく必要があります。その為には、これと決めた分野を、必死で磨いていかねばなりません。

一方で、現代の日本は豊かです。楽しい誘惑も多いし、やりたくないことをガマンして続けられる環境ではありません。

また最近は、怒られ慣れていない若者が多いと言われています。ビシバシと厳しく接するマネジメントは、彼らの気質に合っていないのです。そう考えると、長所伸展法とは、これからの時代にこそ、必要とされている方法論だと思いました。

この育成法について面白いと思ったのは、小山会長が「この方法は実行が極めて難しい。」と仰っていた点です。その理由は、

「レベルの高い人から見ると、できていない事だらけなので、つい叱ってしまう」のだと。

また「長所伸展法に徹したときの代償は、部下に対する失望や絶望、肩すかし、そして何より求められるのが、自分を殺してまでしなくてはならない『我慢』なのです。」とも。

確かに…自分のことを省みても、部下の長所を見つけたり、短所を見ない様にすることが出来ているかと問われると、疑問です…。

仮に、ひとつ褒めてもその何倍も叱ってしまったり・・・台無しですね(汗)

この育成法を実行するには、根本的には高い志や人間性が問われるのでしょう。それは、とても高いハードルですね…。

 

ところで、ふと思ったのですが、経営者にとって、長所伸展法は必要ないのでしょうか?

我慢を強いられる経営者の心境に共感してくれる人。ビジネスモデルを解し、経営者の強みを見つけ、褒めてくれる人。

そんな “褒めのプロ” がいれば、経営者は癒され、やる気が増し、加えて褒め方も伝授してもらえる。結果、企業の発展に大きく寄与するのではないでしょうか?

おそらくコンサルタントやコーチ、あるいは各分野に、そうした事に長けている人は存在していて、上手につき合っている経営者もいることと思います。

“経営者を対象にした褒めのプロ” という仕事のジャンルは聞いたことがありませんが、とってもニーズがあるのではないかと思いました。

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