先日、ある企業で、入社5年次研修の講師をさせて頂きました。
プログラムの中で、これからの目標設定をするにあたって、“理想の後輩・ダメな後輩” をイメージしてもらいました。
【理想の後輩のイメージ】
気が利く人自分から動いてくれる人
リーダーの目的を理解してサポートする人
+αまでしてくれる人
【ダメな後輩のイメージ】
報告がない人
好き嫌いがある人
日本の政治家みたいな人
楽しようとする人
無関心な人
人や仕事を選ぶ人
頭を使わない人
「ダメな後輩」の話になると、みんなイキイキと意見が出てきました。
固有名詞も出て来たり(笑)実体験が豊富にあるようです。
下記は、あるビジネス紙で、「困らせられたり、腹が立った新人の言動」について調査をした結果です。回答が多い順に記載しています。
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1. あいさつがきちんとできない。
2. メモを取らず、同じ事を何度も聞く
3. 敬語が使えない
4. 雑用を率先してやろうとしない。
5. 報連相ができない。
6. 同じ間違いを繰り返す。
7. 返事ができない
8. 自分のミスを謝らない。
9.「指示待ち」で積極的に動こうとしない。
10.プライドが高く、知ったかぶり。 (日経プラスワン 2008年3/1付)
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これからステップアップしていく若手社員に伝えたかったことは、
「高い目標や理想を掲げるのはいいことだが、まず “一流のフォロワー” を目指そう」
ということです。
「フォロワー」とは、「リーダー」と対になる言葉であり、リーダーと共に組織を構成している人のことを指します。
組織成長のキーマンは、リーダーではなくフォロワーである。
だから当事者意識を持って、上司を支持、支援しながら組織のパフォーマンスを高めてこう。
そういう「フォロワーシップ」を磨いて欲しい。という話です。
たとえば「もっとスケールの大きな仕事をしたい」「スゴい人になりたい」という目標をもったとします。
しかし、大きな仕事も、そのほとんどは、報連相や、確認作業、会議の準備など、誰にでもできる作業の積み重ねです。
上記の調査結果でも、「挨拶ができない」「メモをとらない」など、基本的なことに対する言及ばかり。当たり前なことを疎かにする人は、本当にできる人からは信頼されないのです。
誰でもできる雑務を、進んで行なうことの難しさを学んでおけば、いつかリーダーになった時に、フォロワーの “質” が分かるようになります。
主体性を持って、きちんと、やり続ける。
これができる人こそ、一流のフォロワーとして顧客や同僚から信頼を勝ち得、チャンスを増やしていくことができるのです。
《今日のまとめ》
★今、フォロワーの方へ
リーダーを目指すことだけが、唯一の最終目標ではないことを認識しよう。自分らしさを活かした優秀なフォロワーの存在は、組織にとってかけがえがない財産なのだ。
★今、リーダーの方へ
優秀なフォロワーを育てることの価値に気づこう。フォロワーが誇り高く活躍できる組織をつくることは、カリスマリーダーの不在を補って余りある価値をもたらす。
※参考「リーダーシップからフォロワーシップへ」中竹竜二著