先日、ある会社の経営計画発表会に参加させて頂きました。
クック・チャムグループという、西日本を中心に64店舗のお惣菜店を展開されている企業です。(郊外型のお惣菜店としては、日本一の店舗数)
その発表会には、パートさんを含めて数百名が出席していたのですが、とても素晴らしい内容で、雰囲気もすごく良かったです。
そしてその雰囲気の良さは、「理念の浸透」によって成されているのだ、と強く感じました。
クック・チャムグループの創業者は、女性の藤田社長です。
看護師として働いていた藤田社長のお母さんが夜勤の時、当時小学生だった藤田社長が作れる位の夕飯の下ごしらえをしてくれていた。藤田社長は作り方が書かれた置き手紙を見ながら食事をつくっていたそうです。
その後、精肉店に嫁いだ藤田社長。
出来たてのおかずを店に出したところ、働くお母さん達が嬉しそうな顔をして買っていきました。
その顔を見て「お母さん達に役立つことがしたい!」と決意。
それが企業の原点だったそうです。
「家庭の味に忠実に、家の台所と同じように作る」
「おいしいおかずと一緒に元気を持って帰って頂く」
「女性が楽しくやりがいを持って仕事ができる環境を作る →100人の社長を創る」
これがグループの理念であり、企業活動の隅々にまで浸透しています。
店舗では毎日食べても飽きないようにと、120種類のお惣菜が、毎日日替わりで登場します。
しかも、64店それぞれで品揃えが違う!
お惣菜は毎日手づくりです。
多品種のお惣菜の生産管理をどうやって実現しているのか?なぜ利益が出るのか?
現場を拝見すると、こだわりを貫くための凄まじい試行錯誤の積み重ねが垣間見えました。
もし男性がビジネス視点で考えれば、“もっと合理的に、効率を追求しよう” と思うはずです。
あるいは “利益が出っこない” と諦めるでしょう。
「家庭の味に忠実に、家の台所と同じように作る。
毎日食べても飽きない、安全な食事を提供する。」
確固たる理念への、執念とも思える追求が、独創的なモデルを造り上げてきたのだと思いました。
同社ではたくさんの女性が働いていますが、定着率がとても高いそうです。
「何のために」「誰のために」という理念が明確で、日々の仕事に落とし込まれていったときに生じる、求心力の強さを、発表会の会場で目の当たりにした思いでした!
会社の本質的な存在意義を明確にすること。
理念に基づいたビジネスモデルづくりを志向すること。
誰もが未来に不安を感じ、国の方針も定まらない今だからこそ、社員にとってもお客様にとっても、企業が確たる軸を持つ事の価値が輝きますね!
※株式会社クック・チャム http://www.cookchum.co.jp/