COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2013/05/02

【vol.250】武雄市図書館という、挑戦。

今年4月にリニューアルした、佐賀県の武雄市図書館に行ってきました。

TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)
に運営委託をしたことで話題になっている図書館です。

武雄市長の樋渡啓祐さんは、市のwebサイトをFacebookページに移行
したり、ドラマ「佐賀のがばいばあちゃん」のロケを誘致するなど、
ユニークなアイデアを次々と打ち出している方です。

今回の民間委託によって、
■営業時間が年中無休、9時~21時と大幅に拡大
■カフェが併設、本を読みながらコーヒーが飲める
■運営費用は10%削減(目標)

といった点が、今までと変わっています。
利便性が向上しながら、運営コストが下がっているならば、
素晴らしいですよね。。
しかし実際に訪れてみると、いい意味で予想を裏切られました!

★裏切られたポイントは、委託先の企業です。CCCを、「レンタル店
TSUTAYAの運営会社」だという認識でいました。
そうではなく、武雄市が連携したのは、代官山の蔦屋書店を開発した
「企画会社」CCCだったのです。そのコラボによって、今まで見たこと
がない“図書館”が創られていました。

★内装は、蔵書が一望できるデザインになっており、圧倒されます。
また、書店が併設されていて、新刊本や、デザインやインテリア、
趣味に関する本が数多く置いています。

図書館とは、“過去の本”が置いてある場所ですよね。
ところが書店があることによって、トレンドや、最先端、沢山の
“旬”な情報にも同時に出会うことができます。

この新旧書籍のコラボレーションが、感性を刺激してくれる素敵な
相乗効果をもたらしているのです。

★図書館内には、スターバックスがあり、BGMが流れています。
スタバが入っているTSUTAYAは福岡にもあるし、珍しくはないですよね。
しかし、それが図書館の持つ重厚感と合わさると、「文化の香り漂う
素敵な空間」に変身するのです。

そのため、図書館が“本を借りるために行く”場所から、
“居心地がいいから、また行きたい”場所になっている。
「図書館の再定義」がなされていると感じました。

カフェ、書店、空間デザイン、景観etc.
様々な要素が重なって、今まで経験したことのない“心地良い”空間と
なっていた武雄市図書館。
福岡にも、あれほどぐっとくる場所はありません。悔しかったです!(笑)

人口5万人の武雄市に、オープン1ヶ月で10万人が来館したそうですが、
私は、地方の街づくりの新たなモデルを見た思いがしています。

アミューズメントパークや、商業施設などの“箱もの”ではなく、
「公共サービスが街の“求心力”を創出する」という点が、かつてないと
思いました!

《まとめ》
武雄市図書館。それは「気持ち良さ」という価値を提供するという
「公共サービスの革命」であり、文化度の高い街づくりの中心軸と
なりうる「図書館のイノベーション」である。

※武雄市図書館
http://www.epochal.city.takeo.lg.jp/winj/opac/top.do
※佐賀県武雄市Facebookページ
http://www.facebook.com/takeocity?sk=app_236453269710449
※蔦屋書店
http://tsite.jp/daikanyama/store-service/tsutaya.html

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