COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2013/05/16

【vol.252】気になる本「ぼくらの文章教室」

思い返してみると、
むかしから、文章を書くことが苦手でした。

小学校の時の読書感想文や、受験の課題の小論文。
原稿用紙を見ると、「うえーっ」と思ってました。

本を「読むこと」はとても好きですが、「書くこと」を好きだと
思ったことはありません。

しかし、これからも書く事からは逃げられないし、もう少し文章力を
つけたい。そう考えて手に取ったのがこの本です。

題名は「文章教室」ですが、結論から言うと・・・
この本を読んでも、すぐに文章は上手くなりません(笑)
文章の書き方や、コツなどが全然書いていないからです。じぇじぇ!

上達はしないのですが…この本には、素晴らしい出逢いがあります!
今まで出会った事がない類いの文章たちとの出逢いです。

といっても、紹介されるのは、上手い文章例とか、有名な文章などでは
なくて、例えば、こんな感じ。
——————————————–
四十五ねんのあいだわがままおゆてすミませんでした
みんなにだいじにしてもらてきのどくになりました
じぶんのあしがすこしも いごかないので よくよく
やになりました (後略)
——————————————–

なんだか、読みにくいですよね・・・。
これは、ある人が、ある理由で、生まれて初めて書いた文章です。
高橋さんの解説によって、スゴい事実が明らかになり、僕は激しく
心が揺さぶられました。

作家であり、大学教授でもある高橋源一郎さんの「これは、ぜひ
読んで欲しい!」とチョイスした文章たちとの出逢い。
それは、とってもインパクトがあります!

びっくりしたり、笑ったり、ぐっときたりしているうちに、
文章に対して感じていた「壁」や、「固定概念」といった
ものが、次第に薄まっていきます。
そして、文章に対して、親近感が湧いたり、書いてみよっかな、
という気持ちが芽生えてくるのです。

「好きこそものの上手なれ」って言いますよね。
高橋さんは、文章について、そうなって欲しいと思って、
この本を書いたのだなあと思いました。

私と同じように、書く事に苦手意識がある人に、オススメな一冊です。

『ぼくらの文章教室』高橋源一郎 著(朝日新聞出版)

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