COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2013/08/01

【vol.263】映画さんぽ「風立ちぬ」

先日、修理に出していた靴を取りに行ったときのことです。
対応してくれた方に聞かれました。
「今回、ゴム底に変えたということは、雨の日用にするのでしょうか・・・?」

内心、そのとおり!と思った私ですが、彼の「・・・」
に何かを感じて思わず
「いえ、そういうつもりじゃないんですよ。」
と答えてしまいました。

すると彼はすごくホッとした表情で
「あ~!良かったです!皮がとてもいい感じであめ色に育っているので、
雨用にするのはもったいないと思って。」

と、私の靴を、ギューと抱きしめながら(!)
言ってくれたのです。

彼の、靴に対する愛情や、仕事へのこだわりがすごく伝わってきて、
なんだかぐっときてしまいました。

こうした、ちょっとしたエピソードって、
日常にぽつぽつと落ちているものですよね。

今回観に行った「風立ちぬ」は、とても静かな映画でした。
零戦の設計士である主人公をとりまく、何気ないけれど
心に残ることばやエピソードが、丁寧に描かれています。

戦時中の話ですが、激しい戦闘シーンはありません。
そうした大きな出来事の前では、霞んでしまうような、日常のさざ波。
その“さざ波”を通して、近現代の日本のことや戦争のこと、
当時の日本人の生き方、考え方を、深く、しみじみと考える
きっかけをくれるのです。

ジブリがつくった、大人のための映画。
最後の主題歌も含めて、とても美しい作品でした。

8月中に、映画館で観るのがおすすめです!

http://kazetachinu.jp/

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