COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2013/09/19

【vol.269】事業に失敗するコツ

仕出し弁当業「玉子屋」の企業理念が、ユニークです!

【企業理念「事業に失敗するコツ」】─────────

1.旧来の方法が一番よいと信じていること
2.もちはもち屋だとうぬぼれていること
3.ひまがないといって本を読まぬこと
4.どうにかなると考えていること
5.稼ぐに追いつく貧乏なしとむやみやたらと骨を折ること
6.良いものはだまっていても売れると安心していること
7.高い給料は出せないといって人を安く使うこと
8.支払いは延ばすほうが得だとなるべく支払わぬ工夫をすること
9.機械は高いといって人を使うこと
10.お客はわがまますぎると考えること
11.商売人は人情は禁物だと考えること
12.そんなことはできないと改善せぬこと
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してはいけないことを書く、というあまのじゃくな点が面白い!
ですが、内容はどの企業でもあてはまりそうな内容が多く、
説得力があります。

株式会社玉子屋は、430円の弁当を一日70,000食提供
しています。

★“地元(大田区蒲田)の元不良達”を積極的に採用し、
活用に成功していること。
★そうでありながら、弁当の廃棄率が0.1%と、驚異的な
低さを実現していること。

そうした特徴が、注目を集めています。

同社では、エリアごとに独立した“班”が20以上も組織
されています。

「必ず12時までに配達すること」
「ロスを出さないこと」

この2つのルールが決められているだけで、リーダーには
アルバイトの時給や社員の昇級賞与、エリア内の
営業戦略など大幅な権限が与えられています。

エリアの販売個数を増やし、ロス率を低くできれば、
自分たちの給料に直結するという仕組み。
それを班同士が競い合うという体制が、社員を
楽しく発奮させているそうです。

創業者の菅原勇継会長は、やはり相当気合いが入った風貌(笑)
です。

“元不良達”を採用してきたのは、業種的に優秀な人材が
採れないという事情があったでしょう。しかし同時に、
ヤンチャな若者の性質を熟知している菅原会長だからこそ、
彼らの心に火がつき、やりがいを感じさせる仕組みを
創ることが出来たのだと思います。

菅原会長は、ご子息に社長職を譲る際に、
「全部過去のことはぶっ壊していい。日本一うまい弁当を
お客に届ける。社員に家一軒づつ建ててあげる。
そのために一所懸命頑張って、ダメだったら潰してもいい」
と言ったそうです。

玉子屋が何を目指しているのか?何を重視するのか?
という理念が凝縮された言葉ですね!

本質的な理念のもと、独創的な仕組みづくりを日々進化
させていく。激変の時代に合った経営スタイルだと思いました。

《まとめ》
経営に原理原則はあっても、手法には絶対の正解などない。
経営者自らの想いと得手不得手を活かした、
オリジナリティ
の追求なのだ。

■株式会社玉子屋
http://www.tamagoya.co.jp/index.html

■参考:「世界一働きたい会社を創ろう!」
マーク・M・ムネヨシ著 フォレスト出版