COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/02/20

【vol.290】駅伝か。マラソンか。

先日、麻生太郎さんのお話を聞く機会がありました。
その時に「日本のすごさ」について語られていたのですが、
取り上げていた事例が「新幹線」です。

年間平均遅延時間がたった36秒で、人身事故も50年近くゼロ
という世界一の優秀さを実現できている原因は何か?

『これがその要因だ!』とひと言で言えないところがポイント
なのだと。

例えば、終点に着くとおばちゃん達が6分間で掃除をします。
その手際の良さは見事なのですが、これは乗客が倒れた椅子を
元に戻したり、ゴミを持って出たりするからこそ実現できている。

もしも他の国なら、座席はバラバラ、ゴミは散らかり放題
だったりするので、いくらおばちゃんの掃除力が優れていても、
とても6分間では終わらないでしょう。

私たち日本人は、誰に言われなくても、当たり前のように
そうしたことが出来ている。その一つひとつの積み重ねと連携が、
時間に正確で無事故な世界一の新幹線を実現しているのです。

“当たり前のレベルが高いこと” “協力し合う精神があること”
といった私たち日本人の特徴を活かした協業や連携が、高い価値を
創り出し得るのだなあと、改めて思いました。

そうした価値づくりの際に大事なこと、それは “ゴール設定” です。
ちょうど今、オリンピックが盛り上がっていますよね。
男子マラソンの分野では世界トップレベルの選手が最近出てきて
いませんが、それについて興味深い指摘を聞いたことがあります。
「駅伝」が、マラソンランナーの育成を阻んでいるというのです。

チームのために献身的にたすきを繋いで行く駅伝、私も大好きです!
日本人らしさが凝縮されている競技だと言われますが、箱根駅伝を
中心としてあまりに人気がありすぎるために、男子学生はみな駅伝
ランナーを目指してしまう。
結果、マラソンランナーが育たないというのです。

もし駅伝がオリンピック種目になったら、日本は金メダルを
取れそうです。それくらい、駅伝のレベルは高いと思います。

しかし現状は正式種目ではない。

日本の男子長距離界が、どこにゴール設定をするのか?
それによって、世界に誇る素材の活用法が、変わってくるのです。

《まとめ》
私たちは「日本人」という世界一の人材を手中にしている。
どう活かすかは、リーダーのビジョン次第。

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