COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/02/27

【vol.291】商品は「胸キュンな思い出」

先日「歌謡曲BAR」という不思議なお店に行きました。

バーカウンターにテーブル席が幾つかあるそれ程大きく
ない店内。

なぜか天井にはミラーボールが回っていて、懐かしい
雰囲気をかもしだしています。

松田聖子、キョンキョン、マッチ、トシちゃん、中森明菜…
その店「スポットライト」には、歌謡曲のレコードが
数多く置いてあります。

お客は自由にリクエストができ、お店のスタッフが、
ターンテーブルを回して曲をかけてくれます。

店内には当時の「明星」が置いてあり(懐かしい!!)
また、ザ・ベストテンのようにリクエストランキングが
掲示されていたり(当時のアイドルがズラリ♪)と、
アラフォー世代にとっては、心躍る仕掛け(笑)が随所に
ちりばめられているのです。

スナックとは違って、お客は歌えません。
マイクは置いてありますが、はるな愛のように
“エア” 専用(笑)なのです。

これは音痴な私には嬉しい!
人の歌につきあう必要も、盛り上げる必要もなく、
たっぷりと思い出に浸れるのです。

面白いなあと思ったのは、入店してくる人の表情です。
初めてとおぼしき人も、入って店を見渡した途端に、
パッと笑顔になる。

また、カウンターで私の隣に母娘の2人連れがいたのですが、
40代のお母さんがとっても楽しそうにはしゃいでいます。
その様子を見て23歳の娘さんが「お母さんが楽しそうで私も
嬉しい~!」と喜んでいるのです。
(結局、そのお二人はお母さんが盛り上がり過ぎて、深夜
1時半までいたそうです笑)

かと思えば、反対側には某放送局の部長だという男性が、
1人静かに楽しそう。

とにかく、色々な男女が、役職や立場を超えて楽しめる場に
なっているのが、とてもユニークだなあと思いました。

歌謡曲BAR「スポットライト」の業態は、“バー” です。
しかしこのお店の “商品” は、お酒や料理ではなく
「多感な青春時代の思い出」なのだなあと思いました。

カラオケ禁止で、歌謡曲しばりの、BAR。
そんなに制約がある店に、一体誰が来るの?と思いますよね。

かつては、ナウいヤングだった大人たち。
そのハートにだけ、ズキュン♪と刺さっちゃうのです(笑)

ほとんどの客を捨てる勇気を持った、オーナーの決断力に乾杯!

 

《まとめ》
誰に、どんな商品を提供するのか?
尖らせるほど、相手の強く心をわしづかみにできる。

 

「歌謡曲BAR スポットライト」
http://www.spot-light.jp/index2.html

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