COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/04/10

【vol.297】9勝1敗でも満足できない新人たち。

わかっていないのに、自ら質問をしにこない20代の
若手に、最近イラっとさせられることが増えている、と感じませんか?

なぜ、彼らは質問しにこないのか?そのワケは…

上司が、怖いからではありません。

「できない自分を見せたくない」「絶対に失敗したくない」
そういう気持ちが、ちょっと信じ難いほど強いのです。

たとえば “質問をする” ということについて。
『10回質問をしたうち、9回いい質問ができたとしても、
1回でも的を外してしまったら、すべてが台無し』と彼らは言います。
相手の失望する顔を見たくないというのです。

『 “9勝1敗” でも、ダメ』という、私たちの想像を超えて
減点を恐れる “減点恐怖症” の彼ら。

先週、各企業の新入社員を対象に、合同新人研修を行った
のですが、今年はこの「減点恐怖症」に着目したプログラム
を組みました。

新人のうちは分からないことだらけです。そこで減点を
恐れて、上司や先輩に相談や質問を尻込みしてしまうことは、
致命傷となりかねません。

仕事を覚えるためにも、成長のスピードを速めるためにも、
この「減点恐怖症」から脱却することが肝要です。

講師にお招きしたのは、組織論の専門家として、また
『鯖江市JK課』や『NEET株式会社』の仕掛人として、最近
大変注目をされている、慶応義塾大学の助教・若新雄純さん。

彼らに、自分の弱みや欠点を、隠さずに相手に伝えていく
ことの “メリット” と、人間関係づくりの方法を学んで
もらいました。

若新さんの、斬新かつ実践的なプログラムは、たったの2日間。
ですが、 新人たちのこの研修への “食いつき” と “取組み姿勢”
には目をみはるものがあり、やがて劇的な変化へと転じます!

後半には「外に出て、自分の弱みやコンプレックスについて、
知らない人に相談してみよう」という、
私でさえも尻込みしてしまうような大胆なフィールド
ワークがあるのですが・・・(笑)

その時点で、新人諸君は「やってみたい!」という気持ち
になっており、なんと、自ら進んで出掛けていったのです!

あれほど、失敗を恐れていた彼らが?!
まさに、アンビリーバボー!!な進化でした。

なぜそうなるのか、というプロセスはここでは語りきれない
のですが、彼らは研修を通じて、
「自分の弱みに、他人は意外と真剣に向き合ってくれる」
という実感や、
「ありのままの自分でつきあっても大丈夫」
という自信の芽生えを得ます。

これから始まる人間関係づくりに、私たちが考えて
いる以上に強い不安を抱いている新人。彼らにとって、
同世代の人や、みず知らずの人とでさえ、自分を飾らず
に人間関係がつくれたという経験は、とても大きなきっかけ
となるのです。

会社では、そうした関係づくりこそが、全ての基盤。
上司や取引先からの支援が得やすくなれば、ほとんどの問題は
解決できてしまいますよね!

やる気がないように見える若手社員の姿勢は、実は “減点に
対する恐怖” から来ているのかもしれない。
そう意識してみると、今までと違った見え方、接し方ができる
かもしれません!ぜひお試しを。

《まとめ》
20代の人達は、それより上の世代とは全く違った価値観
で育っている。育成も、彼らに合わせた改革を!

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