COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/04/17

【vol.298】その “正解” 、本当に正しいですか?

「大手企業は教育体制が充実している」と言われますが、
実際にどんな教育をしているか、ご存知ですか?

先日、某業界トップ企業での新人研修の話を聞きましたが、
スゴかったです。

新人を7~8クラスに分けて、社外講師が研修を行うのですが、
驚いたのはタイムスケジュール。

この話は1分、このページで2分、と、分刻みで内容が決まって
おり、休憩時間も10:58~11:08など細かく設定。

全クラスが横並びで進行され、3分とずれることが許されない
そうです!

内容を聞かずとも「どんな社員に育てたいのか」
「何を教えたいのか」という企業の方針が垣間見えますよね…。

話は変わりますが、私が関わっている「中小企業共和国」と
いうNPO法人があります。先週東京で、会員企業の新入社員
を対象に合同新人研修を行いました。

「他社ではやらない社員研修」をコンセプトに行ったのですが、
今回の特色は、講師陣を全て “現役の経営者” にしたことです。

「社会人とは何か?仕事とは何か?」
「経営者が社員に求めること」
「出世の方法」etc.

といったテーマについて、各講師が、自分なりの考えを語ります。
そこに予定調和は設けません。そのため、各論では講師同士の
意見が矛盾していたりします。

冒頭に書いた大手企業とは、真逆の視点です(笑)
でも私たちは、それが大事だと考えました。

『そもそも社会は矛盾に満ちているもので、唯一の正解など
ない。自分自身がどの“正解”を受入れて成長していくのか?
もっといえば、何が正解なのを自分で考え、創り出していく
ことが大事だ』
ということを伝えたかったのです。

今の若者は、相手に合わせることが得意です。
答えを教えてあげると、素直に聞いてくれます。
(本心で納得しているかどうかは別として)

企業側からすれば、表面的には扱いやすい人材。
しかし、これだけ変化の激しい時代、これから必要とされる
のは、規律を守ることが得意な人よりも、新しい答えを
自ら考え出せる人材ではないでしょうか?

もしそうならば、過去の正解を押し付けることに
もっと慎重にならなくてはいけないと思うのです。

大手企業で “王道の” 教育を受けた人材と、NPOのスタンス
で育った人材。
将来どちらが活躍するのか、勝負したいですね!

《まとめ》
「自分たちの方が正しい」「答えは教えてあげるもの」
その先入観が、若者の可能性を閉ざしているかもしれない。

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