COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/05/08

【vol.301】 夏みかんの魔法。

わが家では、ヨシケイという夕食食材宅配をお願いしています。
GW最終日の6日に届いたボックスの中に、頼んだ食材とは別に、
夏みかんがひとつ入っていました。

そして、こんな手紙が添えられていたのです。

《萩の夏みかんをお届けします》——————————————

GWは萩焼き祭りで賑わう萩の町では、夏みかんがたわわに
実る光景が見られます。
萩の夏みかんは、明治時代に小幡高政が禄を失った士族救済
のために多くの苗木を植え育て、全国に出荷したことから
市の特産物として有名になりました。
私の故郷萩市でとれた、農薬を使っていないため見栄えは悪い
ですが、自然完熟した甘くておいしい夏みかんをどうぞお召し
上がり下さい。(ヨシケイ福岡 会長 安井輝昌)
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会長の郷土、萩のGWの風景が目に浮かぶような文章。
夏みかんが特産物になった歴史的背景。
安全性への言及などを通じての、食べ物への愛情。
(じっさい見た目が良くなく、かえって説得力がありました:笑)

たった1個の夏みかん。
ですが、そこには単なるおまけ以上の価値
=この会社らしさを伝えるメッセージ力、が宿っています。

連休の最終日というタイミングに、郷土の果物を手紙を添えて
プレゼントする会長のセンス。それが顧客に伝わることによって、
CMやチラシ以上に、相手をファン化する力があると感じました。

高級リゾートを展開する星野リゾートの星野社長が
「おもてなし」について『その土地やその季節でしか体験する
ことができないものを魅力として提供すること』
と語っています。

例えば2015年開業予定の「星のや 富士」。
主役の富士山は、フロントやロビーからはあえて見ることが
できず、各部屋の窓から最高の状態で見えるように設計されて
いるそうです。

この夏みかんも、まさに「おもてなし」ですよね。

果物1個とメッセージによって、日々接している会社や
商品が、一気にそれ以上の“何か”に変化する。

これはぜひマネしたい!と思いました。

《まとめ》
おもてなしとは、 “高級” の代名詞でも高等技術でもない。
身の回りにころがる材料を、調理する「ひと工夫」である。

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