COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/05/15

【vol.302】日本の菓子より、フランスで作った菓子の方がマズいワケ

「日本のお菓子は、世界の中でも飛び抜けて美味しいんです。
なぜだと思いますか?」

調理師専門学校の校長先生と話をしている時に、そんな話題に
なりました。

『フランス人のパティシエに質問してみたんですよ。
『なぜ日本のお菓子は美味しいのか』って。
そうしたら、『かけている時間が違うからだ』と言うんです。」

フランスでは、週35時間勤務が徹底されていて、超過勤務には
高額な手当を払わなくてはならない。そのため、お菓子づくり
にも労働時間の制約が生じてしまうというのです。

つまり日本と外国のお菓子の差は、“手間ひま” の差なのだと。
面白い話ですね!

そこで・・・ふと思いました。
もし、他の国も惜しみなくお菓子づくりに時間をかけたとしたら、
日本と同じ水準になるのだろうかと。

一概に、そうはならない気がします。
日本人の感性やこだわり、細やかさといった特性が、“手間ひま” に
乗って、“価値” となっているだろうと思うからです。

仮に、今よりもうんと短い時間で仕事をしなければならなくなっても、
こういった日本人の強みを活かしていくことができれば
競争力は保てると思うのです。

日本人はモノづくりが得意だと言われてきました。
しかし私は、“価値づくり”こそ日本の得意分野であり、これまでの
高度経済成長も、それを行なってきた成果だったと考えています。

たとえば、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する
スタートトゥデイ。この会社では、物流の部署に至るまで
オシャレ好きな社員を採用しています。

“商品の箱詰めと発送” という仕事ひとつとっても、
洋服好きな人と、そうでない人とがするのでは、お客様への
伝わり方が違う、と考えているからだそうです。

ファッションを愛する社員の “こだわり” と “感性” を結集して、
顧客をどんどん増やしているZOZOTOWN。

スタートトゥディ社では、2012年から「6時間労働制」を導入。
“時短” と “価値づくり” を両立させる試みを行なっています。

日本人らしさを活かした付加価値づくり。
私は業種を問わず可能だと思うのです。

《まとめ》
“24時間戦えますか(リゲイン)” の時代には、もう戻らない。
時間の長さや安さではなく、価値での勝負こそが、日本のお家芸。

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