COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2014/08/07

【vol.314】学校の先生 vs 社長軍団のトークバトル

先日、300人の先生たちと会ってきました。

「先生」というのは、福岡市の小~高校に今年4月から
勤務している、新人の先生たちです。

一年次集団研修のひとつのプログラムとして、
“経営者との意見交流を通じて、社会人としてのあるべき姿を
考えよう” という企画。

全国的にもとても珍しい取組みだそうですが、昨年に続いて
参加させてもらいました。

当日は先生7~8人のグループに経営者が加わっての
小グループで、意見交流が行なわれました。

先生たちの話を聞いて、改めて感じたのは、
“社会と学校教育がつながってない” ということです。

私は、先生たちにこんな質問をしました。
Q.   生徒に、どんな社会人になって欲しいと思っていますか?
Q.「なぜ勉強するの?」と生徒に聞かれたら、どう答えますか?

先生になりたて、ということもあるでしょうが、明確な
答えは返って来づらかったです。

各々の学年・クラスで、一年間のカリキュラムを実行していく
ことが当面のミッション。
そういった印象を持ちました。

意外だったのは、先生たちの “多彩な経歴” です。
学校を卒業して、すぐに先生になったという人は
私のグループにはいませんでした。

たとえば・・

高校を出てフリーターを2年した後、看護師学校に行って
看護師に。その後病院で出会ったインターン学生の
成長っぷりに刺激を受け、先生に転身。

という人がいたり、

自分が小学生の時に学級崩壊になった。
その時に最後まで見捨てずにいてくれた先生に憧れて
教職を目指した。非正規の講師を数年して、今年正規採用に。

という人がいたり。

非正規採用で講師として学校に勤務している人って
たくさんいるんですね。ほとんどの人が数年間のそうした
プロセスを経ていました。中には40代の新人先生も!

「とりあえず先生になっておくか」という位の動機付けの
人が多いのかと勝手に思っていましたが、今はそれほど
簡単に先生になれる状況ではないのですね。

また、現代のように価値観も生き方も多様化している時代に、
集団に何かの“共通解”を教えるということは、難易度が高い
だろうと思います。

しかし私は、先生たちの多彩な経歴は、とてもいい “教材”
になると思いました。

ロールモデルなき時代。
いい大学に行って、いい企業に就職して・・・という説得力の
ない人生プランではなく、「私はこんな人生を送ってきたけど、
みんなはどう思う?」という問いかけをしたり、生徒と一緒に
考えたりする先生の方が、よほど生徒の学びにいい影響がある
のではないかと思いました。


《まとめ》
答えを教える教育から、一緒に考える教育へ。
学校でも企業でも、相手に合わせての変化が求められている。

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