COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2015/05/07

【vol.351】ディズニープリンセスが、ビジネスモデルにかけた魔法。

最近「お姫様」が主役の映画を3本観ました。
「マレフィセント」「シンデレラ」「美女と野獣」です。

どれも、もともとディズニーのアニメで有名だったものが実写化されています。
見比べたかったわけではなく、3本を同時にみたのは偶然だったのですが、
面白い気づきがありました。

まず、現在上映中の「シンデレラ」。
これは、オジさんには気恥ずかしいくらいの(笑)王道の
シンデレラストーリーです。

しかし映像が素晴らしく、惹きこまれます!

そして「マレフィセント」。
これは「眠れる森の美女」のリメイクですが、ストーリーが大きく変わっています。
題名の通り、お姫様に魔法をかける魔女、マレフィセントが主役なのです。

これがすごく面白かった!
そして、この「新たなストーリーの編集」には必然性があったのだなあと感じました。

なぜそう思ったのかというと・・・
ディズニーのコンテンツは
「世代を超え、国境を越え、
あらゆる人が楽しめる」ことがコンセプト。
そこへいくと、健気で働き者なのに継母から虐められているという
不遇な境遇のシ
ンデレラに比べて、オーロラ姫は、寝ているだけ・・・(笑)

 娯楽が少なく、お姫様が憧れられた時代はそれでも良かったのだと思いますが、
現代においてはやや力不足・・・。
ですから「普遍性の高い価値」=魔女マレフィセントの “真実の愛” を
追加する必要があったのです。


最後に「美女と野獣」。
これは正直、違和感がありました。
よくも悪くも「オトナな作品」であり、子供も楽しめるような内容ではなかったのです。

観終わった後に気づいたのですが・・・
この実写版はディズニーの作品ではありませんでした!
フランスの民話を原作にした、フランス映画だったのです。

『ディズニーのはずなのに、哀愁漂ってるし、ユーモアもないよなあ』
という “違和感” の原因が分かって、
納得。
仏版「美女と野獣」を観て、“ディズニーらしさ” である「普遍性=あらゆる人が楽しめる」と
「現代性」のスゴさを、改めて実感しました。

“らしさ“ を、どう追求していくか?
そして、どのように時代に合わせて変化させていくのか?
これは企業においても、永続していくための重要なテーマです。

たとえば…
かつて伊藤園は、急須で飲んでいた緑茶をペットボトル化して、お茶の復権を実現しました。
最近ではUNIQLOが、「ステテコ」にデザインと機能を加え「STETECO」として再定義。
男性ばかりか、女性も着られるような商品に生まれ変わらせました。

企業は歴史を重ねるほど「過去の遺産」が増えていくものです。
その遺産を、“リメイク可能な資産” と捉え直してみると、
とてつもない宝の山に見えてきませんか?!


《まとめ》

「眠れる森の美女」は半世紀以上前の作品。
“価値のリメイク”に限界はない。


※シンデレラ
http://www.disney.co.jp/movie/cinderella.html
※美女と野獣
http://beauty-beast.gaga.ne.jp/
※マレフィセント
http://www.disney.co.jp/movie/maleficent.html

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