著者の石原明さんとは、20代の頃から10数年のおつきあいです。
実はこのコラムについても、石原さんからのアドバイスが影響しています。
始めた当初に
『とにかくね、続けることが大事。日記でもなんでも、人は継続することが苦手。
だから内容よりも「続けている」人のことを、スゴいって思うものなんですよ~ 。』
と、言われたのです。
(確かに、初対面の人に「コラム300回続けてます」というと、読んでいない人からも「スゴいですねー!」と褒められます:笑)
それからは「いかに継続するか!」にゴールが切り替わりました。
そんな石原明さんは「値上げコンサルタント」という異名を持つ経営コンサルタントです。
「値上げこそ、正しい企業努力。価格競争ではなく、値上げで競争から脱出しましょう」
という石原さんの持論が余すところなく展開されているのが、今回の新作です。
石原さんの真骨頂は、分かりやすさです。
・値上げをすることのメリット。
・頭では分かっていても値上げに踏み切れない理由。
・業態別、具体的な値上げのステップ。
たくさんの実例を挙げつつ、理解しやすいように平易な語り口で進んでいきます。
石原さんはこの本を書くのに、2年近くを要したそうです。
それは
『なるほど、値上げは大切だよね』
と納得してもらうのではなく、
『本書を読んで値上げを“実行”してもらうこと』
をゴール設定にしたので、原稿をいろいろな経営者に読んでもらい、効果の程を検証しては原稿を書き直す、というプロセスを踏んだから、とのこと。
つまり、この本は“経営者を動かすことができるか?”という石原明さんからの“挑戦状”なのです。
自社の値上げに関しては、仲の良い経営者同士でも話しにくい内容ですよね。
独りで悩みを抱えている方も多いと思いますが、この本はそんな経営者にとって良き相談相手になってくれます。
私もこの本を通して、特に「値付けが経営スパンを決定する」という点について、深く考えるきっかけを頂きました。
経営者の方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
※『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』石原明著(ダイヤモンド社)