COLUMN

コラム「社長の給料まる見え日記」

2016/08/04

【vol.412】三菱自動車に未来はあるか?

燃費の改ざん問題に揺れる三菱自動車。
先日、特別調査委員会の報告が公表されました。

そこには、下記のように書かれていました。
「(この問題の)全ての根源は、会社が一体となって、つくり、売るという意識が欠如していること。」

理想の車づくりを通じてどのような社会を実現したいか?
そうした理念が共有されていなかったために、法規よりも社内事情、モラルよりも上司の声が優先される風土が生まれた、という指摘です。

「最も大事な再発防止策は、そこで働く人たちの思いが一致することだ。」
と、報告には綴られています。

《三菱自動車は、誰に、どんな価値を提供していくのか?》
それを明確にし、社員一人ひとりに浸透させていくこと。
それがこれからの三菱自には求められているわけですが・・・果たしてできるのでしょうか?
仕事観も価値観もバラバラな社員たちの心を一つにしていくのは“至難の技”だと、私は思います。

さらに言えば「三菱自ブランド」の回復も難しいでしょう。
私は両親が三菱グループで働いていたため、ファミリーカーはずっと三菱車でした。
三菱が好きだったし、三菱車にも愛着がありました。
そんな私でさえ、もはや三菱車を買う気にはなれません。

車の出来が多少悪くても、多少高くても、好きなら買う。
逆に、いくら性能が良くても、安くても、嫌いなら買わない。

それが今の消費感性です。
社員が想いを共有していない会社の商品など、誰も欲しくはならないのです。

過激なことを言うようですが、私はこの際、三菱自ブランドは捨てて、社員は提携先の日産に全員転籍するのが最善ではないかと考えます
三菱自の社員は、“日産色”に染まり直すのです。
地に堕ちてしまった三菱自動車ブランドの理念をつくりなおし、浸透させるより何倍も楽でしょう。

『そんなことは絶対に納得できない!三菱自は私の全てだ!愛してるんだ!!』
という社員が、もしもいたら・・・。
その時は、スピンアウトして新会社を創ればいいのです。

日産という「踏み絵」をきっかけに、想いを共有する仲間が集い、“新”三菱自を誕生させる。
もし三菱自の復活があるとすれば「三菱自は“自分が”創業し直す!」というくらいの覚悟が絶対条件だと、私は考えます。

そんな社員がいることを、私は信じたい。そして“新三菱自動車株式会社”が生まれた暁には、全力で応援したいです!

《まとめ》
理念は、つくるよりも徹底する方がよほど難しい。

 

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